幕末高校生が帰ってきた

時をかける……、いえっなんでもありません

フィクションとは突拍子もないものだ、なのでどんな作品だろうと突っ込むのは野暮というもの。しかし人間は矛盾したり、またとんでもない展開を見せる内容を見せられると、どうしても突っ込まずにはいられない生き物だ。気にしなければいいのにと思うものの、筆者も何故かそれが出来ない。なんというか、義務感めいたものを感じるからだ。と言っても別にツッコミキャラではない、そもそもツッコミキャラってなんですかと言いたくなる。高校時代の友人にそう称されていた人はいたが、正直言われているのを見て痛々しいと内心思っていたものだ。

現実には起こりえない事態について問いかけていたら、メディア作品は見ていられない。小説にしても漫画にしても、映画やドラマにしてもだ。何が起こっても不思議ではない、そういうものだと思って淡々と見つめている方が正しい視聴者、ファンの在り方なのかもしれません。ですがそれでも突っ込まないと負けると感じてしまうのだから、性なのでしょう。

この作品を見た時、筆者の頭上にはクエッションマークが挙がる。『幕末高校生』、何処からどう突っ込んだら良いのかと思った。ただ色々調べていくと、実は今から20年ほど前にドラマ化された作品で、続編というわけではないが正式に話の世界観を継承した作品とのこと。その頃のドラマといえば、今となってはとてもではないが取り扱えない過激なテーマで物語が展開されていたりする。この幕末高校生も例外ではなかった。

なにせある日突然、とある高校の教師と生徒数名が幕末の時代にタイムスリップしてしまうのだから。

幕末高校生 概要

映画のタイトルにもなっている『幕末高校生』ですが、一見するととある高校生が江戸の幕末期にタイムスリップする話、もしくは幕末期を生きている現代でいうところの高校生に匹敵する年齢の少年か少女が現代へタイムスリップして、未来で生きるという話のように思えた。前者はともかく、後者はなんとなくお風呂大好きギリシャ人の話を連想する、先に結論だけ言えばどちらの予測も外れていた。映画そのものが公開されたのは2014年、この年は個人的に諸事情があってかなり忙しくしていた年だったので今回改めてこんな映画がやっていたのかと知ったほど。それなりにメディアに対してアンテナは張ってはいるものの、見落とすときはやはり見落とすものだ。

ではこの映画はどういうストーリーになっているのか、まずはこの映画のあらすじから触れていこう。

あらすじ

高校で日本史の授業を受け持っている未香子は生徒の雅也・恵理・慎太郎の三人とともに、歴史アプリ『体感ヒストリー江戸時代』の起動したことでタイムスリップをしてしまい、江戸時代末期へとやってきてしまう。突然の事態に戸惑う4人を尻目に、不審な出で立ちをしていたために未香子と雅也は幕府に捕縛され、恵理と慎太郎ともはぐれてしまった。連行される江戸城にて後の歴史にて偉人として語り継がれている勝海舟と出会い、未香子は思わず興奮を隠し切れないまま彼との距離を詰めていく。

しかし当時は西郷隆盛率いる新政府軍と幕府による対立が生じ、幕末末期における大政奉還を間近にした熾烈な争いが繰り広げられそうになっていた時でもあった。勝海舟はその総責任者として、江戸に生きる人々を助けるため、なんとか和平への道を模索している最中だったが未香子はある矛盾点を見つける。それは既にその時には江戸が無血開城して明け渡しているはずなのに、勝海舟が送った和平の使者が帰還していないことに気づいた。

この歴史が何かおかしい、そう感んじた時には時既に遅く、西郷たち新政府軍が江戸への進軍を始めているとの情報を入手する。このままでは未来の歴史、つまりは自分たちの存在にも影響を及ぼすとして焦る未香子と雅也、離れ離れになってしまった恵理と慎太郎を見つけてなんとか現代へ帰還するため、勝海舟に協力する。そして勝も自身と江戸の人々、そして未香子たちとその未来を守るために紛争するのだった。

石原さとみ主演

今作は、現在の日本で女優として国内だけでなく国外でも評価が高まっている『石原さとみ』さんが主演となっている。彼女の話題は尽きませんが、個人的に印象として残っているのはやはりこちらもある意味で話題だった『進撃の巨人 実写映画版』にてハンジ役として出演した際のことだ。この作品は色々と注目され、おまけに公開当初から非難轟々という憂き目に見舞われます。それを酷評する記者などに対して制作陣、それも監督という立場の人間が怒りをむき出しにするという事態を引き起こして騒動となった。

大人げない行動だったが、その後石原さとみさん自身も作品に対して意見を出したが、『批判するより見てどう思ったか、それで作品を決めて欲しい』との旨を発表するという良識ある対応を見せる。これだけで作品そのものの評価が上がるわけではないが、彼女の人としてもそうだが女優としての価値も改めてうなぎ登りだった。事実、無難ながら弁えた発言をしている姿勢に、今後も期待されているのも理解できる。

また別の話題では海外メディアが選ぶ世界で最も美しい顔立ちをしている女性として、日本人ながらその美貌は世界の美女たちに引けをとらない妖艶さを彼女は持っている、とまで評価した。色々な意味で彼女が凄い、というのが理解できるはずです。

イケメン勝海舟、実は

そんな石原さとみさんの相手役として勝海舟役に、玉木宏さんが抜擢されている。史実におけるリアルな勝海舟も当時で言えばかなりのイケメンだったようですが、当時は中々やりたい放題だったとのこと。政治家として軍人として、武人として有能でしたが、その実女性関係も相当派手だったとのこと。正妻との間に子供はいましたが、他にも複数の妾との間にも子供を設けており、その数は8人もいたことが確認されている。

不倫しまくりだったわけだが、何故か波風立たずに全て乗り切ってしまったというのだ。良い男だから何でも許せた、というよりは良い男かつ仕事も出来て稼ぎもある、また社会的地位は申し分ないといった点が関係しているのかもしれません。不倫くらい、当時は大奥と呼ばれる殿様専用の妾候補を囲う習慣があったのだからおかしくない、とでも見られていたのか。お盛んながら、しっかりとやることはしていたようだ。

石原さとみのファンなら見るべし

物語については、まぁなんというか面白いことだけは先に述べておく。アプリを起動したらタイムスリップ、見れば江戸時代に来ていて江戸城まで連行されて時の偉人と邂逅、歴史改変を阻止するべく動き出す、という流れだ。

彼女の作品としてはB級映画ではあるものの、石原さとみさんのファンなら見ておくに越したことはないのだけは言っておこう。